BOP ~歯肉の状態を知るための値~
ここでは歯周病の状態を評価する際、「歯肉の状態」を知る目安として使われている、BOPについてご説明します。
BOP=Breeding on Probing
つまり「ポケットを探ったときの出血」のことです。
歯ぐきから血が出たことがある、という方も多いと思います。歯ぐきに触るだけで血が出る状態って、かなりよろしくないと思いませんか?皮膚を触っただけで血が出たら、皆さん「えっ!!」と思うのではないでしょうか。でも歯ぐきから出血してもそこまで気にする方も少ないと思います。
確かに大問題とは言えないかもしれませんが、でも歯ぐきの状態は決して良くはないこともお分かりいただけると思います。
繰り返しですが、歯周病は、
1.歯に細菌が多く付着していて
2.それによって歯肉に炎症が起こり、
3.歯肉の炎症がその下の顎骨に及ぶと骨が吸収する。
という病気です。
その2番目のステップを評価するために使われるのが、「BOP」です。
歯周病の検査の際に歯周ポケットの深さを測ります(HP参照)。その時に出血が見られたらカウントし、全体の検査個所のうち血が出た部位の割合を計算するのがBOP値です。10か所見たうち8か所で血が出たらBOP値は80%となります。
実際歯周ポケットの測定は、精密検査の基準で見る際は1歯で6か所見るので、通常の28歯ある方は168か所です。歯周病の検査は毎回この数を見ているんです。つまり168分のいくつかで割合を計算します。
そして治療を進めていき炎症が改善してくると、BOP値は下がってきます。例えば初回検査で80%だったものが、2回目には60%、その後40%、30%、20%と下がってくれれば治療がうまく効果が出ているという判断になります。これには歯みがきがうまくいっているかが大きく関わっていて、前述のPCR値が下がってくるとBOP値が下がるとか、大体PCR値とBOP値は同じくらいの数字を示すことなどを私たちは経験しています。
このように検査の結果を数値化して可視化することで治療の成果を判断する材料にし、また患者さんにもご自身で病状をどう理解したらいいかの一助としても活用しています。歯周病の治療を行う方は、ぜひこのBOP値をご自分で把握して治療の効果をしっかり認識してみてください。