歯周病治療

Perio

当院の歯科治療のコンセプトについて、こちらのページをご覧ください。

歯を守る治療

歯周病とは

About perio

歯周病とは

歯周病はギネスブックで、世界で一番罹っている人が多い病気と認定されているそうです。また今ではむし歯で歯を抜くより歯周病で歯を抜く方が多いといわれています。それほど歯周病は身近な病気ですが、むし歯ほどは気にしていない方が多いのではないでしょうか?

歯周病は歯肉が炎症(歯肉炎)を起こし、炎症の影響を受けて歯を支えている「顎の骨が溶ける病気」(歯周炎)です。歯肉の病気ではないのです。
初期の症状は歯肉の発赤、出血などですが、症状はその状態のまま徐々に骨が無くなっていきます。重度の状態になってから、次第に歯がぐらつく、歯肉が腫れる、噛むと痛いなどの症状が現れ、歯の自然脱落もありえます。

歯周病は治療をすれば腫れや出血などの症状は改善されますが、一度破壊されてしまった歯周組織は元には戻りません。したがって歯周病の治療を行う際には、これ以上悪化しないように本質的な解決を目指すことが重要です。
また歯周病は様々な全身の病気(脳卒中、心不全、糖尿病、リウマチなどなど)と関連があることがわかっています。体全体のためにも歯周病をきちんとケアすることは大切なのです。

歯周病を克服するための基本コンセプト

歯周病は顎の骨(歯槽骨)が溶ける病気です。これは元には戻せませんが、これ以上骨が溶けないようにすることはできます。つまり歯周病の治療を始めるときに掲げる目標は「今ある骨を守る」ということになります。
歯の周囲(お口の中)の環境を改善して骨が溶けない状態を作り、それを維持する。守ることに終わりはありません。歯周病治療は、状態の改善と維持(メインテナンス)、両方セットで初めて効果的であることを知ってほしいと思います。

歯周病の進行

  1. 01 健康な状態

    健康な状態

    歯肉はピンク色で、歯と歯の間の歯肉はきれいな三角形をしていて、弾力があり引き締まっています。また歯と歯ぐきの間(歯肉溝)の深さは1mm〜2mm程度です。

  2. 02 歯肉炎

    歯肉炎

    歯に付着したプラーク(細菌)によって歯肉に炎症が起こっている状態です。まだ骨には影響がありません。歯みがきなどでも血が出やすくなります。歯と歯ぐきの間はやや深くなってきて歯周ポケットと呼ばれます。

  3. 03 歯周炎(軽度)

    歯周炎(軽度)

    炎症が顎の骨に波及して骨が溶け始めます。歯周ポケットは4~5mmになります。血の出やすさもさらに増します。しかし、特に症状はないことがほとんどです。

  4. 04 歯周炎(中等度)

    歯周炎(中等度)

    歯槽骨は歯根の長さの半分程度まで吸収しています。歯周ポケットは6~7mmほどです。骨の吸収が進むことで歯肉が退縮し始めると歯が伸びたように見えます。しかし、日常生活に支障があるような症状はないことがほとんどです。

  5. 05 歯周炎(重度)

    歯周炎(重度)

    歯槽骨は歯根周囲にほとんど残っていません。根尖を包むような骨吸収に至れば抜歯が適応となります。歯周ポケットは8~10mm以上になります。歯はグラグラして物を咬みにくく、急性化すれば歯ぐきが大きく腫れたり歯周ポケットから排膿を認めたりします。 

歯周病の原因とは

歯周病の原因とは

ご自分の歯を鏡で見たことはあるでしょうか。よく見てみると爪楊枝などで歯面を触ると取れてくる白っぽいネバネバしたものがあると思います。これを多くの方が食べ物由来だと誤解されているのですが、これはプラークと言って、「細菌の塊」なのです。夜歯みがきをしても朝にはお口の中がネバネバしませんか?夜寝ていて物は食べませんね。夜の間に細菌が増殖してプラークを形成しているのです。
歯肉に沿って細菌が付着していれば、当然歯肉は体を防御するために炎症という免疫反応を起こします。ここから病気がどう進むかは上でご説明しました。

歯周病が全身に及ぼす影響

歯周病が全身に及ぼす影響

脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病、リウマチ、さらには肝臓病、肺炎、早産などにも関連があることが多くの研究によって分かっています。口腔内が細菌の温床になったり、歯周病という慢性炎症が全身にダメージを与えたり、免疫系にも影響を及ぼすといわれています。お口だけ体と別なものではありません。全身の健康を考えるときお口の健康もとても大切なのです。

歯周病治療の流れ

Flow of perio treatment

  1. STEP01

    初回歯周組織検査

    現在の歯周病の状態を評価するために、X線写真による歯周組織の状態、歯周ポケットの深さ、プロービング時の出血、歯の動揺度、プラークの付着状態、咬合状態などを調べます。特に歯周ポケットの深さは重要な指標ですが、当院では6点法、すなわち1歯につき6か所歯周ポケットを測定する最も精密な検査方法を採用しています。またこの機会に歯周病についての基本的な事をしっかりご説明させていただき、現在の病状と今後の治療の進め方に不安や疑問がないようにしていただきます。
    歯周組織検査はこのあと治療が進むステップのたびに行い、改善状況を確認しながら治療を進めていきます。

    初回歯周組織検査
  2. STEP02

    ブラッシング

    歯周病治療の基本は、歯面から細菌(プラーク)を取り除くこと。これのメインが毎日のブラッシングとなります。歯みがきは実は大事な治療だという意識で取り組みましょう。
    歯みがきは皆さん毎日されていると思います。ところがやり方をきちんと教わる機会はあまりないのではないでしょうか。コツを知らないとなかなかきれいにするのが難しいのも歯みがきです。歯みがきがうまくいかない状態で歯周病の治療は成り立ちません。
    このような理由により、ブラッシング指導は当院で力を入れているものの一つです。きれいにできている実感を持てるようなブラッシングを日々行えるようにしていきましょう。

    ブラッシング
  3. STEP03

    スケーリング

    歯の表面のプラークや歯石を取り除きます。歯石はプラークが石灰化して固まったもので、主に超音波を応用して効率よく歯石を除去します。

    スケーリング
  4. STEP04

    ルートプレーニング

    スケーリング実施後、歯周ポケットの深い部位はそこに面した歯根面のクリーニングを行います。歯根面はポケット内の狭い隙間の奥であり歯根の分岐があるなど入り組んだ状況ですので、この処置は機械では難しいため手作業で行います。歯根面を鏡面のように滑沢に仕上げて病状の改善図るという、歯周病治療のメインがこのステップです。
    病状が軽度であれば、歯肉のコンディションが良くなると歯周組織の歯根面への再付着が起こり、歯周ポケットが浅くなることが期待できます。

    ルートプレーニング
  5. STEP05

    再ルートプレーニング

    歯周ポケットが浅ければルートプレーニングは比較的容易ですが、深ければ深いほど歯根面をきれいにしづらく、また状況によっては痛みを伴いますので、その際は浅いところから段階的に深いところまで回数をかけて治療を進めていきます。最終的に必要があれば麻酔を使用することもあります。
    またルートプレーニングを行ってもそれで必ず歯周ポケットの改善が確実にできるわけではありません。特にブラッシングの改善がそれに遅れ細菌の存在が残ると、病状はなかなか改善されません。その際はブラッシングの改善を図りつつ一定期間ごとに再ルートプレーニングによって歯周ポケット内をクリーニングし、病状の進行をさせないようにサポートする必要があります。

    再ルートプレーニング
  6. STEP06

    歯周外科処置

    上記のSTEPでは病状が安定しない場合、外科治療を行うことになります。歯周ポケットの中をきれいにする、歯周ポケットを浅くする、歯周組織を再生させるなど、状況に応じて適切な術式を選択します。

    歯周外科処置
  7. STEP07

    メインテナンス治療
    (基本的には3か月ごと)

    病状が安定してもお口の中の細菌はいなくなってはくれませんし、歯石もまただんだんついてきます。ある程度病状が安定しても3カ月が経過すると再び歯肉に炎症が起こってくることが様々な研究結果からわかっています。そういった根拠(エビデンス)に基づいて、メインテナンス(プロフェッショナルトゥースクリーニング:PMTC)は3か月ごとに行い歯槽骨を守ることを目標に継続していく必要があります。
    歯周病治療で初めに掲げた目標は「今ある骨を守る」ことでしたね。

    メインテナンス治療

歯周病治療における基本治療と外科治療の考え方について

About perio treatment

歯周基本治療

歯周基本治療

歯周基本治療とは歯周病の病状がどのようなものであっても必ず最初に行うべき治療のことです。そのコンセプトは、歯の周囲から起炎物質(主に細菌)を取り除き、体の治癒能力によって状況を改善させるというものです。お口の環境を整えると言い換えてもよいでしょう。それによって歯周ポケットが浅くなり、歯肉の出血も治まって歯槽骨の破壊を食い止められるようにするのです。
そのために基本治療として以下の二つの治療方法がとられます。

1.スケーリング・ルートプレーニング
2.ブラッシング

実はブラッシング(歯みがき)は皆さんが毎日ご自身で行い、お口の中の細菌を効率よく取り除く優れた治療なのです。ブラッシングはほとんどの方が毎日ずっと続けていらっしゃると思いますが、治療だと思って行っている方はほとんどいらっしゃらないでしょう。いくらスケーリング・ルートプレーニング(歯面清掃・歯周ポケット内清掃)を歯科医院で行っても毎日増殖し続ける細菌(プラーク)にはどうしても対応しきれないのです。歯周病治療においてブラッシングの改善がない治療というのはありえないのです。

歯周外科治療

歯周外科治療

歯周基本治療で成果が上がってもまだ不十分な場合は、歯周組織のさらなる改善を図るため外科的な処置を行い、例えば歯周ポケットを浅くするなどします。これは特別なものではなく、一般的に中等度以上の歯周病治療では多くのケースで適応になる保険治療に含まれるものです。

状況によっていろいろな方法がありますが、特に近年、歯周組織再生療法が可能になり、基本的に「治せない」歯周病を唯一治すに近い結果を得られる治療法です。これがさらに保険適応の歯周組織再生剤も開発され臨床応用されています。当院でも積極的にこの治療法を実践しています。

ただし注意点として、歯周基本治療がきちんとなされてブラッシングも良好な状態でなければ外科治療は適応とはなりません。やっても良くならないか、良くなっても長持ちしないか。これではやる意味がないことになります。特にブラッシング不良はそれが原因で歯周病が進んでいるのだということを忘れないでください。

  • 組織付着療法

    歯周ポケットに面した病的な歯肉内面を切除し、歯肉を翻転することで歯面に残った歯石などをしっかりきれいにして歯肉を戻します。歯槽骨がいびつな場合は骨整形を行います。治癒が進むと歯肉が歯に再付着しポケットが浅くなります。

  • 切除療法

    歯周ポケットの状態を見越してある程度の幅で歯肉を切除することで治癒後にポケットを浅くする方法です。今ある骨に歯肉を合わせることになり歯周ポケットの改善が見込める反面、歯肉の付着を期待しない分、歯肉の高さは下がります。

  • 歯周組織再生療法

    歯槽骨の欠損が、幅が狭くて深さがある(垂直性骨吸収)場合、再生剤を使うことで欠損周囲から骨の再生を図る方法です。周囲に全く骨がない欠損部には再生が難しくなります。自分の骨(自家骨)を移植したり骨に置換される顆粒状剤(異種骨・人工骨)を使用したりすることもあります。

  • 歯周形成外科

    歯周病で歯肉が下がってしまうと見た目が気になりますよね?歯周形成手術は歯肉の形を整える治療で、歯肉の見た目が改善されるだけでなく歯みがきによってプラークを除去しやすくなるため、歯周病を悪化させないことにもつながるのです。

歯周病治療/歯周組織再生治療/外科的歯周治療にともなう一般的なリスク・副作用
  • 内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • 歯周病の進行状況によりますが、歯垢や歯石の除去時に痛みを感じることがあります。
  • 治療に対して患者さんが協力的でない場合は、改善に時間がかかり、治療期間・回数が増えることがあります。
  • 歯周病の基本治療で改善しないときには、外科的歯周治療や歯周組織再生療法が必要になることがあります。その場合、歯肉を切開するため腫れや痛みをともなうことがあります。
  • 治療後歯肉が下がることがあります。
  • 治療によって歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉の段差とが目立つことがあります。
スケーリング/ルートプレーニングにともなう一般的なリスク・副作用
  • 基本的には保険での診療となりますが、治療内容によっては自費(保険適用外)となることもあり、保険診療よりも高額になります。
  • ルートプレーニングは、歯肉の中に器具を入れるため通常の歯石除去よりも痛みを感じることがあります。
  • 歯のすき間に付着していた歯石が除去されることで、歯のすき間が目立つことがあります。
  • 処置後、歯肉から出血することがありますが、時間の経過とともに治癒します。
  • 処置後1~2日、何もしなくても痛みが出ることがあります。また噛んだときや歯をみがくときも痛みが出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
  • 処置後、しばらく知覚過敏の症状が出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
  • 処置後、歯肉の退縮を引き起こすことがあります。