歯科用インプラント治療

Implant

歯科用インプラント
治療とは

About Implant

歯科用インプラント治療とは

これまでに実際に歯を失くされた方もいらっしゃるでしょう。歯を失くすのは歯周病、むし歯に加えて外傷などによることもあります。もし歯を失くしたままにしていると、隣在歯が倒れてしまったり対合歯が挺出してしまったりするので、お口全体の噛み合わせが徐々にずれてしまい支障が出てきてしまいます。歯が数本無くなっただけではさほど噛むことに困らないのですけれど。
そのような場合、両隣在歯を削って欠損部に橋をかけるブリッジや入れ歯を作るなどが保険でできる一般的な治療方法ですが、それぞれのデメリットを解消する有効な方法として歯科用インプラント治療が挙げられます。まずは以下の比較図をご覧ください。

インプラント・入れ歯・ブリッジの比較

インプラント

インプラント

入れ歯

入れ歯

ブリッジ

ブリッジ

適応範囲 顎骨が足りなかったり全身疾患があったりすると適応が難しい ほとんどの症例に適応する 土台になる歯がないと適応しない
見た目 天然歯のような自然な見た目 保険適用の部分入れ歯は金属のバネが見える 保険適用の奥歯のブリッジは金属製で目立つ
噛む機能 天然歯に近い噛み心地 ほかの治療法に比べて劣る 天然歯に近い噛み心地
周囲の歯への負担 独立しているため周囲の歯に負担をかけない 部分入れ歯はバネをかける歯に負担がかかる 土台になる2本の歯に大きな負担がかかる
顎骨への負担 顎骨がやせにくい 歯を失くした箇所の顎骨がやせやすい 歯を失くした箇所の顎骨がやせやすい
治療期間 1ヵ月〜1年程度が目安 歯科用インプラント治療よりも短い 歯科用インプラント治療よりも短い
治療費 自費診療のため高額 保険適用も可能なため費用負担を抑えられる 保険適用も可能なため費用負担を抑えられる
寿命 適切なケアを継続すれば入れ歯やブリッジよりも長く持たせられる 7〜8年程度 7〜8年程度

多数歯欠損の場合、入れ歯も有力な選択肢になりえると思いますが、少数歯、とりわけ強い咬合力がかかる奥歯の欠損であれば歯科用インプラント治療には大きなメリットがあります。
メリットとしては、隣在歯を削らない、隣在歯の咬合力の負担を軽減できる、出し入れの必要がない、お口に違和感がない、見た目もきれいにできる、長期間の安定を期待できる、などなど多くあげられます。
しかしながら、まずは全身疾患がある場合や顎骨の量が極端に足りない、また自分の天然歯の状態が不良ではインプラント治療のプランも立てられませんし、特に歯周病が改善できていないとインプラント治療の予後が悪くなることが研究結果からわかっていますので、このような場合には適応外になります。

当院の歯科用インプラント治療の特長

Feature

信頼のおけるストローマンインプラントを採用

信頼のおけるストローマンインプラントを採用

当院では、スイスにあるストローマン社が製造するインプラントを採用しています。歯科用インプラント治療では、インプラント体と顎骨を直接結合(Osseointegration)させるのですが、ストローマンインプラントはその材質が洗練されており表面性状に優れているので、速やかで強固、そして長期に安定した骨結合が期待できます。したがって安全確実で治療期間も短く済む利点があります。長期的な問題として挙げられるインプラント周囲炎も、適切なケアによって確実に回避することができます。

顎骨が足りない方の治療

Bone grafting

骨が足りない方の治療

歯科用インプラント治療では、顎骨にインプラント体を埋入する手術が必須となります。ただし、骨の厚みや高さが足りない場合、そのままでは治療できません。なぜなら、インプラント体が骨を突き抜けたり、歯肉から露出したり、骨に固定できずにぐらついたりするリスクがあるためです。
たとえば、歯を失くしたまま長期間放置していたなんてことがあると、その箇所の骨がやせてしまい、検査してみたら骨の厚みや高さが足りないケースもあるのです。
しかし骨量が足りない場合でも骨増生術(GBR: Guided Bone Regeneration)によってインプラント治療が可能になるケースも多いです。当院では、以下で示す骨増生術で事前に骨を増やし、安全に配慮して歯科用インプラント治療を行います。

GBR

GBRによる骨増生

歯を失くした部位の骨が委縮してしまっている場合に骨補填材や組織再生剤を用いたGBRによって骨を増やします。
骨を大きく再生させる場合にはインプラント埋入手術に先立って行い、骨不足量が小さい場合は埋入手術と同時に行うようにします。同時のほうが手術回数が少なく治療期間が短くなります。

歯科用インプラント
治療の流れ

Flow of implant

  1. STEP01

    カウンセリング

    まずは歯に関する悩みを伺います。また、歯科用インプラント治療の基本的な進め方などもご説明しますので、不安な点がありましたら何でもおっしゃってください。

    カウンセリング
  2. STEP02

    各種検査

    歯科用インプラント治療を適用できるかどうか、健康診断やCT撮影などを行って判断します。骨の厚みや高さが足りない場合にも、骨増生によって治療できるケースがあります。

    各種検査
  3. STEP03

    埋入手術

    歯肉を切開し、骨にドリルで穴をあけ、インプラント体を埋入します。穴をあけると聞くと怖い気持ちがあるかもしれませんが、精密な治療を行いますのでご安心ください。

    埋入手術
  4. STEP04

    治癒期間

    インプラント体を埋入してから骨結合するまで治癒期間を置きます。インプラント体がすべて自前の良質な顎骨に埋入できる場合は4~6週間です。GBRを行っている場合は骨再生のために3~6か月をみる必要があります。

    治癒期間
  5. STEP05

    人工歯装着

    治癒期間を置いたのち型を取って歯冠部分を製作、アバットメントというパーツをインプラント体にねじ止めしたうえでそこに歯冠をセットして治療が完了します。当院では歯冠は仮着セメントを用いて固定します。これによって審美性、咬合機能が良好で、万が一何か問題が起こっても歯冠を外して対処することが可能になります。

    人工歯装着
  6. STEP06

    メインテナンス

    治療が完了したら終わり、ではありません。むしろここからがスタートで、より長くインプラントを使い続けられるよう、日々のセルフケアに加えて定期的にメインテナンスを受けていただきます。

    メインテナンス

治療後の
メインテナンスについて

Maintenance

治療後のメインテナンスについて

インプラントは人工物だから天然歯ほどケアに気を遣う必要はない、と思っていませんか? もちろんインプラント自体がむし歯になることはありませんが、周囲の骨や歯肉が細菌に感染してしまうことがあります。これは「インプラント周囲炎」というもので、進行すると歯周病のように骨や歯肉が破壊され、ひどくなるとインプラントが抜け落ちることもあるのです。
インプラント周囲炎を防ぐには、プラーク(細菌)を取り除くことが重要です。つまり、天然歯に対するケアと同じことをインプラントに対しても行う必要があるのです。日々の歯みがきに加えて定期的にメインテナンスを受け、プラーク(細菌)の除去は継続して徹底するようにしましょう。

歯科用インプラント治療にともなう一般的なリスク・副作用
  • 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
  • 高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
  • 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
  • 手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
  • 手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
  • 手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
  • インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯みがきの技術、メインテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
  • 毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
骨増生にともなう一般的なリスク・副作用
  • 機能性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • 外科手術が必要となります。
  • 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
  • 治療後、骨がしっかりと作られるまで3~6ヵ月の治癒期間が必要です。
  • 歯周病の方、心疾患や骨粗鬆症など内科的な疾患のある方は、骨増生治療が適さないことがあります。
  • 口腔内の衛生状態の悪い方、顎骨が足りない方、免疫力や抵抗力が低下している方、歯周病発生リスクの高いとされる糖尿病の方、喫煙する方は、すぐに治療できないことがあります。
  • 日常的に服薬しているお薬などが治療に影響することがあります。
  • サイナスリフト・ソケットリフトの処置にあたり、上顎洞膜が破れる可能性があります。その場合、手術後に抗生剤を服用して感染を予防し、膜が自然に治癒するまで待ちます。
  • 体の状態や細菌感染により、骨補填材と骨とが結合しない場合があります。この場合、原因を取り除き、ご希望があれば再治療を行ないます。
  • 骨の成長途中であるお子さま(おおよそ18歳未満の方)、妊娠中の方は治療が受けられません。